アヤさん「はい、太陽星座は要するに顔です!以上!」
ざきさん「しゅーーーーりょーーーーー!!!!」
…はい?
あまりに雑すぎて呆気にとられてしまった。
アヤさん「いや、ここまで長々ダラダラと話しまくったから、今回は一言で締めようかと思ってな」
いやそんな一言で締められても、よく意味が分からない…
アヤさん「うーむ、やはりもっと説明がいるか」
ざきさん「そりゃそうだわ。ぶっちゃけ手抜きだからな」
やっぱりか。
アヤさん「んー、じゃあ今回はざっきよろしく。わしゃ、前回で疲れた」
ざきさん「うぃうぃー。じゃ、どこから話すかねぇ」
ざきさんは腕組みをしながら唸り始めた。
ざきさん「じゃー、とりあえず『太陽星座は顔』って先のアヤの言葉でまとめられるよう話すか」
アヤさん「え、マジ? 手抜き発言拾うの?」
自分で言っといてこの人は…
ざきさん「ああ、拾うとも!とりあえず、太陽星座ってのは、星占いでメインで使われる星座だ」
アヤさん「わあ、どんな意味があるのー?」
ざきさん「おいこらお前知ってんだろうが。太陽星座は主に社会や世の中に対してどんな顔で対応してるのかってところだな」
アヤさん「学校だの会社だの、外で使っておる顔のことだな」
ざきさん「人生を切り開く力とも言われる」
アヤさん「中二病乙」
ざきさん「胡散臭いお前に言われると複雑だぞおいぃ! まぁ、あとはその人がこれからどこに向かおうとしているのかを示すこともある」
アヤさん「つまり、既に持っている性質ではなく、今獲得しようとしている性質ということだ」
ざきさん「○○座は××な人って言われても、って感じでピンと来ない人がいるよな。あれは今、獲得途中だからさ」
アヤさん「もしくは取りこぼしてしまったか、もう獲得してしまって眼中になくなってしまったか、だな」
ざきさん「太陽星座がはっきりと力を及ぼすのは26歳から35歳の間だと言われてる」
アヤさん「お世辞にも子供とは言えず、また大人扱いされて数年は経っている頃だ」
ざきさん「ちょうど、社会や世間というのに直面して、これからどこでどう生きていくのか決めなきゃいけない段階だよな」
アヤさん「その時期になって太陽星座が強く影響し出す。その性質に近くなるような、まさに『導き』とでも言えるようなことも起こり始める」
…導き、か。
そんなこと…あっただろうか…
アヤさん「…さて、ここで一応確認せねばなるまいて」
ざきさん「だなー。もしかしてってのもあるしな。聞いとくかー」
アヤさんとざきさんが顔を見合わせている。なんだろうか?
アヤさん「お前さん、生年月日は?」
…分からない。
初めてここにやって来た時にも聞かれたが、やはり分からない。
ざきさん「まぁーまぁーまぁー、大丈夫だって!」
ざきさんが、何故か渾身の笑みでサムズアップ。
アヤさん「怖がられてんぞ」
ざきさん「ホワッツ!?」
ざきさんの謎テンションは不思議だが、この人が騒いでるのを見ると、何だか心が軽くなるような気もする
ざきさん「今思ったそれな。たぶんそれ気のせいやで」
アヤさん「それ自分で言うのかい…」
…何でこの人たちはいちいち心を読めるのだろう…
ざきさん「さて、話を戻すと。とにかくアンタは自分の生年月日を知らないわけだ。ということは」
アヤさん「これから12星座を片っ端から説明しまーす!!!」
ざきさん「しまーーす!!いぃぇあぁぁ!!!」
きっと、めんどくさくなったのだろう。
アヤさん「うむ」
開き直られた…
アヤさん「仕方ないだろうが。そんなことを言うのであればとっとと自分のことを思い出さんか」
ざきさん「急かすな急かすな。とりま、初回は牡羊座だな。燃え盛る生命というのにピッタリな星座だ」
アヤさん「ガンガン詰め込んでいくぞ、覚悟するがいい」
相変わらずな強引な進め方にため息が出る。
でも、何故か、何故なのか、この話の先に何かが見つかりそうな気もしている。
なんだか、ドキドキ、しているのかもしれない。
ざきさん「いいねぇいいねぇ。で、どんなん話す予定?」
アヤさん「決めてない」
ざきさん「言うと思った」
…期待と不安は紙一重らしい。
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