EP.11「天秤座ってどんな人?」

アヤさん「うむ、それではこれより開廷する」


ざきさん「いや待て、一度話し合おうじゃないか。ハイテンションなミーが真顔になるレベルの濡れ衣だわ」


…はい?

アヤさん「それでは被告人ざっきの罪状を述べる。被告人ざっきはマスターの服装をしていながらお茶すら満足に淹れられん。周りの期待を裏切っている。職務怠慢と言っても過言ではないであろう」


ざきさん「ぐうの音も出ない正論だ...って待たんかい!いやいやだってさぁ、この服装を指定したの「団長」だから、ってか俺の肩書きマスターに認定したのおまえじゃ」


アヤさん「有罪。ギルティ。理由は口答え」


暴君もビックリの判決だ

ざきさん「濡れ衣だぁぁぁぁあ!それでも僕はやってないぃぃぃぃい!!...パタリ」


あ、倒れた

ざきさん「うごごごご、よくぞこの俺を倒した。しかし俺を倒しても第2第3のざっきが…」


それは、ちょっと…

アヤさん「めんどくせぇな」


ざきさん「うん!知ってた!」


アヤさん「という茶番から始めたが、今回は天秤座だ」


毎度思うのだけど、こういう茶番はいるのだろうか?

ざきさん「真面目にやったって面白くないだろぉー?さてはあれか?ガッコーの授業は真面目に受けたいタイプかぁ?」


アヤさん「まぁ、やるネタはほぼ決まっておるからな」


決まってるんだ…

ざきさん「さってと、今回の天秤座なんだが、その特徴は自由・平等・博愛だな」


アヤさん「フランス革命が服着て歩いてるような人たちだ」


ざきさん「Luminosite eternelle!」


アヤさん「味方に無敵状態を...って、それは百年戦争の乙女」


またよく分からないネタを…

ざきさん「とはいえ、そのオルレアンの乙女と精神的には似たところはあるな」


アヤさん「うむ。天秤座は美学を非常に大事にするからな。価値観の根本と言ってもいいであろう」


ざきさん「そう、美しいかどうかが問題なんだよな」


というと…?

アヤさん「つまるところ、一般的な正しさなんて、どうでもいいってことよ」


ざきさん「そう、正しいかどうかよりも、美しいかどうか」


アヤさん「ぶっちゃけ美しければ正義だし、醜ければ悪」


なんというか、極端な人たちなのだろうか

ざきさん「まぁ、変わってると言ったらそうなんだが、自分の価値観を大事にする人たちだってこったな」


アヤさん「うむ、良いか悪いかを一般的な価値観を以て判断するのは「正し」かろうし、また最もであろう」


ざきさん「でも、天秤座の人たちはそこを自分で考える。自分で判断を下す」


アヤさん「自分で判断を下すには自分の基準が必要だ。それこそ秤のような。そこで天秤座は自身が持つ美学を拠りどころにする」


ざきさん「となると、実は天秤座って、かなり性格がバラけやすいんだよな」


それはどうして?

アヤさん「では、逆に質問だ。美しさとは何だ」


…えっと、…あぁ、なるほど

ざきさん「そう、美しさは人によりけり、人の数ほどある。何を美しいと思うかはその人によって違う」


アヤさん「だから天秤座には変わり続けることを美しいと思う人もいれば、変わらないでいることを美しいと思う人もいる」


ざきさん「即座に何かを決める天秤座もいれば、最後の最後まで話を聞いて判断を保留する天秤座もいる」


だとしたら、共通しているのは、自分で考えるということ?

アヤさん「うむ、そういうことだ。そしてそこから天秤座の特徴を更に説明するとすれば」


ざきさん「天秤座は自分と他者の間に明確な線を引いているってことだ」


明確な、線引き?

アヤさん「うむ、自分と相手は全く違う存在だということだの」


ざきさん「少し大げさに言えば、人と人が分かり合うことに一種の諦めを持っているんよな」


アヤさん「どこまでいっても、他人は他人。人は一人なのだとな」


…二人の言葉がズシリと胸に響く

ざきさん「まぁ、じゃないと計れないしな。だからこそ天秤座は、相手を理解しようとする」


アヤさん「自分と相手が別の存在だとしても、否、別の存在だからこそ分かり合えることも出来るはずだとな」


別の存在だから、こそ…

ざきさん「人が何かを理解するために一番手っ取り早いのは比較だかんなぁ」


アヤさん「うむ。それぞれを比べて分析し、両者の異なる点を認識する。これが一番理解するのに手っ取り早い」


ざきさん「だから、天秤座にはみんな独特のバランス感覚がある。偏った見方をすると、それだけで理解の邪魔になるから当然っちゃ当然だが」


アヤさん「彼らは既存の価値観にハマることを良しとしない。それ自体が歪んでいることがあるからだ」


ざきさん「じゃあ、何を通して見るかというと、自分の美学を持ってくる。そしてそれこそが、自由・平等・博愛の精神だ」


あ、つながった

アヤさん「別の存在だからこそ理解したい」


ざきさん「まっすぐ相手を理解したい」


それが天秤座…

アヤさん「うむ、そういうことだの。よく出来ました」


ざきさん「おめでとうございますぅぅぅ!!いぇぁぁ、乾杯だぁぁぁ!」


天秤座。軸を持ち、2つの存在を秤にかけ、そしてそれぞれの差異を理解しようとする星座

アヤさん「そういう見方が出来ると、世の中平和なのじゃろうがなぁ」


ざきさん「うまくいかねぇもんさ。色々溢れてっからな」


世の中…
そういえば、忘れかけていたが、ここはどこなのだろうか。
現実なのだろうが、現実とは思えない場所。

アヤさん「ん、まさしくその通りよ。虚実入り交じった場所さねここは」


ざきさん「外の情報は入ってくるが、外を見ることはねぇからなぁ」


え、それってどういう?

アヤさん「まぁ、慌てなさんな。分かる時が来ろうさな」


また煙に巻かれた

ざきさん「ってことで、恒例の落としタイム!ヒューヒュー!」


アヤさん「天秤座は美学にこだわるあまり、それで動けないこともよくある話だ!」


ざきさん「下手すると、ただの難癖屋、皮肉屋になるからな!クレーマーに化ける可能性が他の星座より高めだ!」


アヤさん「弁も立つからほんとにうるさい」


ざきさん「まじそれな...」


落とす事は忘れないんだ…

次回EP.12 「蠍座ってどんな人?」


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